【実話】コイウタ・完
4月からは長崎にいる家族がみんなで東京に引っ越して来てくれる。

私も寮を出て、高校からは家族とまた一緒に住めるんだ。

だから引っ越しの準備で、私はいったん長崎に帰ってきていた。



その時…、


『ワンワンッ!』

小学校1年生の頃から一緒にいる、愛犬ジョイが庭から誰かお客さんが来たと知らせてくれた。




ピンポーン♪

『宅急便でーす。』

『はーい!』

『えー、ここにハンコをお願いします。』

『はい。……ていうか何これ!』


宅急便やさんが手渡したのは、両手で抱えきれないぐらいのものすごく大きい箱。


ハンコを押し、宅急便やさんが帰ってから送り主の名前を見た。


――――――
工藤佑斗
――――――




佑斗から?
なんだろう…。


『ママー!!佑斗から、でっかい荷物が届いたー!』


今まで彼氏が出来てもママやパパに言うことはなかったけど、佑斗のことは付き合ってすぐに報告してた。


『開けてみればー?』


『うん!開けてみる!』


ハサミでゆっくりと、頑丈に貼ってあるガムテープを切った。

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