【実話】コイウタ・完


太陽がまぶしい昼間から歌い続けて…明るかったのに、もう辺りは真っ暗になっていた。



今日は最後だから…


人通りが完全になくなるまで
歌い続ける…



そう決めて、全く誰も通らなくなるまで私は歌っていた。








初めてお客さんのいないライブを経験して、今まで自分はいかに恵まれた環境にいたかってことを実感させられた。




今までは…

用意されたステージで歌うこと…
マイクがあること…
音響スタッフさんがいること…
照明で演出してもらえること…

そして、目の前にお客さんがいること…





当たり前だと思ってたことが、
本当はすごく幸せだった。





―感謝の気持ち―


大切にしなきゃいけないよね…




いつも支えてくれている、ファンの方…、スタッフさん…家族、友達に私の歌で、歌で恩返しが出来るように…しっかりしなくちゃ。



素直にそう思えた3日間だった…。




たくさんの大事なことに気付けた。


いま振り返ってみても、あれは意味のある修業だった――。



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