【実話】コイウタ・完

ガチャ――


『あ…童夢か』


『なにやってんの?』


『なんもしてないよ』


『電話の声でかいから静にしてよね』


『あー、ごめん』


ドサッとベッドに腰を掛ける童夢。


『あのさー』


『ん?』


『佑斗くん、もうすぐ誕生日だね』


『あ、忘れてた』




嘘…


忘れてなんかない…

忘れるはずなんかない…




『メール送ってあげよーっと』


『うん☆そうだね!!送ってあげなよ!きっと佑斗喜ぶよ!』




私は送らない…

送っていい立場じゃないから。



でもね、一昨年も去年も『おめでとう』って伝えられてたから、今年は伝えられないことが寂しい。


本当は伝えたい…。

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