【実話】コイウタ・完
『詩音お疲れっ!!』
ぼーっとつったっていると、後ろから聞き慣れた声が私の名前を呼んだ。
声のトーンで、佑斗の機嫌ぐらいすぐ分かる。
『あれ…?怒ってないの…?』
びくびくしながら、佑斗にそう言うと
『詩音のわがままには、負けたよ(笑)』
と笑いながら、頭をぽんっと叩いた。
なんでこんなにも佑斗は優しいんだろう。
温かいんだろう。
『佑斗に嫌われたと思ったー!(泣)』
すごく安心した。
佑斗に会えたこと、
佑斗に嫌われてなかったこと、
ただそれだけで単純な私は喜んだ。
佑斗が苦しんでることなんて全く気付かずに…。
この時の私は、単純で…
佑斗の本当の気持ち気付いてあげられなかったね…。
ごめんね。