【実話】コイウタ・完
『会いたい…』
『今は無理だからお互い落ち着いたらな』
『佑斗は会いたくないの?』
『会いたいよ?でも、我慢するしかないでしょ?』
『会いたいなら我慢せずに、会いにきてよ!』
『無理だよ。今は夢を頑張らないといけないんだ』
『夢、夢、夢ってそんなに大事?』
『大事だよ』
『詩音より?』
『は?比べるもんじゃねーだろ?』
『ばか』
―――――――――
一緒にいないと
いつもこう。
もうやだ…。
私はこんなに好きなんだよ?
なのに佑斗は違うの…?
もうバカバカバカ…。
佑斗なんて知らない…。
この頃の私は、佑斗なしでは
夢に向かって頑張れなくなってたのかもしれない…。
今までの彼には夢の話なんか
したことなかった。
だけど佑斗は初めて私の夢の話を聞いてくれて、
応援して支えてくれた人だった…。
だから佑斗が自分の夢に夢中になったら
今までみたいに私を支えてくれなくなるんじゃないかなって…
不安になってたんだ…。
恐かった…。
私はもう合宿どころじゃなかった。
佑斗でいっぱいいっぱいだった。
もうすぐ発表の日も近いのに…。
今年こそ、もうダメかも…。