【実話】コイウタ・完



『詩音、お前いい子になりすぎてないか?(笑)』



いきなりそんなことを言われたから、びっくりした。


『そうですか?(笑)散々今まで、悪いことばっかしちゃったんで…。』



気がつけば、笑いながら話せるぐらいの余裕が出来ていて、それからくだらない話をしたり、今までの私の話をしたりした。




『今日呼んだのは、詩音に大事な話があるんだよ』


『はい』


『詩音がうちに来たのは12才だろ?もうお前も16だ。3年間うちでレッスンしていて、同期のやつはどんどんデビューしていって、焦ったか?(笑)』


『正直焦りました。(笑)』


『そうか。でも、焦ることはなにもなかったんだよ。俺は詩音が18くらいになるまでしっかり育成したかったんだ。でも今日詩音の歌を聴いて、もうそろそろいいだろうって思った』


『………』


『来年、デビューしよう』


『えっ。ほんとですか?』


『本当だよ。だから今から俺が詩音にある人を紹介する』




そう言って紹介されたのが、倖田來未さんやEXILEさんなど、たくさんのビッグアーティストが所属するavexの人気レーベル、rhythm zoneのボスだった。


それから3人で話し、私はボスの下で準備を進めることになった。

つまり、憧れのrhythm zoneからデビューできるということだった…。



この日は、夢への大きな第一歩を踏み出した瞬間だった。



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