GIOCO


嬉しいような哀しいような。


だって、俺は死ぬかも知れないし。


「じゅーんーじー。何ボーっとしてんの」

「してねーよ」


ハッと我に返って言い返した。


危ない危ない。


兵藤も笑いながらそれを見ている。


でも、何処かぎこちない笑い方。


それが俺には妙に気にかかった。


何かを一人で抱え込んでいる。


あの時の自分みたいで。




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