グランディオ
デッドラビューンのアジト前。丁度良く、リーダーが帰ってきているらしく、取り次いでもらえるように願い出た。ここのアジトは他人を入れるときにはまず、リーダーの許可が要るらしく、上司がそれを取り次ぐのがルールらしい。

ここで待っててとサキィは共に中に入っていき、ギルスは入り口から少し離れたところで腰を下ろして、刀を抱いて顔を俯かせた。入り口を見張る二人から感じる闘気が、針のように鋭く刺さってくるのが感じられるからだ。

寝ているふりをしても、一向にとどまる気配は無い。ふりだということをやつらはわかっているからだろう。だが、そんなものに圧倒されるほど弱くは無い。丁度良いぐらいのタイミングを見計らって、一瞬、それを一掃するように、周囲に闘気の衝撃波が伝わる。

ビクッと顔に驚きの出る二人。その周りを歩いていた狩戦士達も誰のものかと周囲を探る。

「ギルスー。知っている程度でいいなら話してくれるってさ」

ふっと弱まる闘気。まだ、それを発する力も察知する力も無いサキィには、周囲の様子がおかしい原因がわからず、そのままギルスを中に連れて行った。

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