グランディオ
「君の話だが、残念ながら僕も確実な情報を持っているわけではない。噂と自分で出来る限りの探索で得た情報だ。君の質問に答えられるかはわからない」

「それでも構いません。僕が知りたいのは、死んでいるのか行方知らずなのかという点と、刀剣の六秘天《カリサヤ》の存在の事だけです」

「カリサヤを知っているものがいるとは驚きだな。我が内部でも知る者はいない伝説の謳い。
『天を統べる覇者の剣【ラディエイト】』
『創世の大地 封ずる刀【セイオスダット】』
『不死鳥燃ゆる生命の剣【フランリガー】』
『風雨雷嵐 豪暴塵葬の剣【ロードゼイル】』
『聖なる清浄を極めんとする剣【レイファート】』
『時を刻む魔の妖刀【クロノス】』
 存在している事にはなっているが、封印された地を示す書物もないし、詩が示す場所だと赴いては見たが手がかりなど何もなかった。空想だと世間では言われているよ。盗賊ぐらいだな、命を懸けて探しているのは。
 クウェイトさんのことはまだ行方知れずといっていい。自分の目で見たの彼の背中姿を見た。人違いだったかもしれんが、それはクウェイトさんだった気がするんだ。だが、姿を現さない理由が分からなくて、人違いだと見解しているところではある」

「いや、それならば生きている可能性の方が高いでしょう。僕も住んでいる場所で彼らしき人物を目撃しました。そのためにここに赴いて調べに来たのです」

 やはり…、と言った顔つきで話すギルス。あれは、あの事件はクウェイトさん自身で起こしたものなのだと、確証を得る事が出来た。

「これ以上は聞けませんね。貴方の立場もありますし。何かあったらまたここにこさせてもらいます。そちらから御用があれば、住宅区の宿屋【サンチュ】にいますので」

「ああ、何回か行くと思うけどね。君みたいな人材は諦めきれないからね」


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