グランディオ
「まずい、皆!避けろ!!」

天空へと咆哮する猛獣。口元には青白い光が集められ、それが四人の狩戦士《ヴァイダー》に向けられると、光速のスピードで彼等の頭上を掠めていった。

再び二撃目が構えられる。今のスピードに反応できなかったのに、避けられるはずもない。

そう判断した女狩戦士は、一人単独で猛獣へと突っ込み、放たれる前に口元目掛けて、長い槍を持って突き立てた。

「やった!」

そこにいた四人は誰もがそう思っただろう。咆哮は途絶え、青白い光は拡散して攻撃は中断したように見えたのだから。だからこそ、遠くで走っていた男は、少女の身を心配しながらも駆けていくスピードを上げた。

女狩戦士は、槍を引き抜くと高く上空に飛び上がり、今度は頭を目掛けて槍を突き下ろした。頭への一撃はどんな猛獣であろうと致命傷となる。

全力全霊を込めた一撃。

カキーンと、何に当たったのかも解らぬまま、槍は弾かれて彼女はバランスを崩した。

「ティナ!!」

三人が三人ともそう叫んだ。だが、彼等がその一瞬で動いたとしてももう遅かった。ティナ自身が、猛獣の頭上を見て死を覚悟した。拡散したはずの青白い光は頭上で集結し、彼女の攻撃を凌いでも、壊れることなくまだ光を集めていた。そして、咆哮とともに、空に浮くティナ目掛けて光は放たれた。

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