グランディオ

光速の波動が放たれた一瞬、男は抜刀するとともに大地を蹴った。光の中に消える影。あれだけ自信満々に戦いに行ったのに、瞬く間のうちに消えていった彼を見て、死の絶望をもう一度味わっている三人。そんな三人を見て、少女が声を漏らす。

「ギルス、消えてない」

指を指す方向には、刀を背に回して歩いてくる男がいた。そして、その後ろには立つ力も無くなったアトラスグレイが横たわっていた。

「久々にしては、上出来っていったところだろ？ルビア」

こくりと頷く少女。少女を抱えあげると、ギルスと呼ばれた男は刀を空間に送り、何も云わずに去っていった。

「いくらダメージを負っているアトラスグレイでも、Ａ級の猛獣。それを一撃で倒すなど…。一体やつは何者なんだ？」

「奴の詮索は後回しだ。生き延びた以上避難が先だ。ティナがこの状態じゃあ、無理な戦いはできない」

男狩戦士の一人がティナを背負うと、三人は一緒につかず離れずで都街へと戻っていった。倒したという証を執るのを忘れずに。