グランディオ

都街アルティロ。人口三十万人にも及ぶ大都市。住宅区と特別区に分けられていて、住宅区には普民が、特別区には狩戦士《ヴァイダー》と呼ばれる特殊業に就く者が住んでいる。

特別区にはギルドと呼ばれるチームに分けられていて、ギルドによってその区内の地域を分けている。全ての管理は三つ目の区域、中央区の管理塔に任せられていて、都外の情報調達から、内部の争いまで対処している。だが、情報を知るためにはお金がかかるため、ほとんどのギルドは自分たちで情報を調査してくる。


「………ん。…あれ？なんで私家にいるの…」

傷だらけの身体に、普段着に替えられている衣服。壁には刃毀れした槍が立て掛けられ、持ち柄はもう少しの衝撃でも砕け散りそうだ。

ガチャリと開く部屋のドア。ティナが起きたのに驚いてはいるが、ほっとした顔で部屋の中に入ってくる女性。

「ねぇ、ルナ。私、あの後どうなったの？アトラスグレイのサンティーナ喰らって…」

「直撃はしてないわ。貴女はもう死を覚悟したから、気を失っただけよ。身体の傷見て解るでしょ？」

「でもなんで助かってるの？いっちゃなんだけど、私がいなかったら…」

「そうね。貴女がいなかったら連携を崩して、戦うこともできなかった」

ルナはあの後の出来事を一部始終話した。いきなり出てきた男と少女のこと。そして、どこからともなく武器を出したこと。アトラスグレイの全力攻撃に飛び込み、無事でそして一撃で倒したことも。

ギルドに所属しているＡ級狩戦士は把握している。見たことも無い格好で、それに特別区で子供を連れている者はいない。まして戦う場に連れて行くなど尤もだ。