ハピネス 〜女になった私〜



待っている間、こんな風に外で待ち合わせをするのが初めてだった事に気づく。



いつもはノブくんが迎えに来てくれたから・・・



何だか新鮮で、また新しいドキドキが生まれる。




「よっべっぴんさん!」



すっかり聞き慣れた関西弁と大好きな声に私は笑顔で振り向いた。



でもそこに立っていたのは、ノブくんと知らない女の子。



私と同じくらいの年齢で、私なんかよりずい分小さい可愛らしい女の子。



並んだ二人があまりにもお似合いだったから、胸の奥が小さく痛んだ。



「会社の後輩。彼氏募集中らしいから連れて来た。こっちは俺の彼女で未希な。未希の方が1歳だけ年下やわ。」



「初めまして、工藤由梨です。三橋さんにはいつもお世話になっています!」



ふわふわの髪にクリクリの目。


笑うとエクボが出来て、本当に可愛い女の子。



今まであまり考えなかったけど、ノブくんの周りには、こんな可愛い人がいたんだ・・・



タクシーに乗り込んで、飲み会のお店に向かう。



「三橋さんにこんなキレイな彼女がいたなんて知ったら、うちの女子達泣いちゃいますよ〜?」



「アホか!アイツら俺の事絶対ナメてるで?川上なんてタメ口やからな!」



私の知らないノブくん・・・



私を置いてけぼりにして楽しそうに話すふたり。



繋いでくれた手だけが、私のものなんだって思わせてくれる。



「未希、おとなしいやん?人見知りしてんか?」



ノブくんの鈍感。



ヤキモチ妬いてるんだよ!



な〜んて、言えないけどさ。




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