ハピネス 〜女になった私〜
「未希ちゃんって呼んでもいい?私も由梨でいいからさ!敬語もやめてね?」
「うん。」
自然な笑顔の由梨ちゃんと、きっとバレバレで下手くそな作り笑顔の私。
「未希〜こんなヤツに緊張せんでいいでぇ〜!」
「ひどーいっ!でもホントに、仲良くしようね?」
これじゃ、どっちが彼女か分かんないね?
約束のお店に着くと、もうすでに飲み会はスタートしていた。
「未希〜」
舞の姿を見つけてホッとする。
「ノブの彼女〜・・・はどっち?」
「ははは。こっちが彼女の未希で、こっちが後輩で彼氏募集中の工藤。」
「ノブナイスっ!」
ノブくんの簡単な紹介で、すっかり歓迎モードのノブくんの友達。
「彼女可愛いじゃん!」
「私は?私は?」
人懐っこい由梨ちゃんがちょっぴり羨ましい。
「未希、こっち座ろ」
私の手を引いて、舞の隣の席に座らせてくれたノブくん。
いつもの様に、“何飲む?何食べる?”って先にメニューを見せてくれる。
「未希ちゃん、やっと会えて嬉しいよ〜!ノブを骨抜きにした彼女にずっと会ってみたかったんだ〜」
テンションの高い男の子に手を差し出されて握手をする。
「触んなって!」
「あれ〜ノブくんヤキモチ〜?“俺の未希話”いっつも嬉しそうにしてるクセに〜!」
「アホっ!!」
ノブくんが私の腰に手を回す。
みんなが私達に注目する。
「未希、可愛い〜やろ〜?」
「クソッ!ムカつくぞノブ!!」
「三橋さん、会社と全然違うしーっ!!」
嬉しくて、楽しくて、思わず笑っちゃう。
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