ハピネス 〜女になった私〜



どうして?



何がいけなかったの?



何で抱いてくれないの?




パジャマの胸元をギュッと握り締めて、私はノブくんに背中を向けた。



声を殺しても、どんどんあふれ出す涙を止める事ができなかった。




「未希、どうしたん?」



驚いた様に体を起こすと、ノブくんは私の肩を掴んで顔を覗き込む。



泣き顔だけは見られまいと、私はすぐに布団の中に潜り込んだ。



「大丈夫。明日早いからもう寝ないとね。」



できる限りの明るい声で答えた。



遅い時間にも関わらず、わざわざ来てくれたノブくんの気持ちを信じよう。



私はまだ愛されてる。



さっき好きだって言ってもらったばっかりじゃない。



「未希、何で泣いてんの?」



「泣いてないよ?」



「未希!!」




.
< 131 / 230 >

この作品をシェア

pagetop