ハピネス 〜女になった私〜



少し前を滑るノブくんは、私が暴走しそうになる度に手を差し伸べてくれる。



半分くらいを滑り下りると、少しずつ気持ちよくなってきた。



「す〜い、す〜いっ楽しい〜っ!!」



「未希、いちびっとったらこけるっ!!」



すかさずノブくんの怒鳴り声。



へへへと笑った私に、ノブくんも笑い返してくれる。




「未希、ここ捕まって。」



ノブくんの腰を後ろから掴むと、ノブくんは私にジェットコースターのようなスキーを体験させてくれた。



シャーと風を切って、どんどん下って行く。




「気持ちいーーっ!!」



まるで自分で滑っているかの様な感覚で、景色と人を一瞬で追い抜いて行く。



下までたどり着いた時には、



「もう1度やりたーいっ!!」



私はすっかりスキーの虜になっていた。



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