ハピネス 〜女になった私〜



「家の下まで行ってもらおな?道言ってな?」



「駅までで大丈夫です。近いんで。」



そう答えた私に、彼は少しだけ強い口調でこう言った。



「アカン。こんな時間に女の子が1人で歩いてたら危ないやろ?」



時間は11時。確かに早い時間ではないけど、このくらいの時間になる事は、そんなに珍しい事ではない。



でも彼が言ってくれた“女の子”



その言葉だけでも、私は涙が出そうなくらいに嬉しかったんだ。




タクシーは私のナビ通りにスムーズ走る。




そしてあっと言う間に見慣れたマンションの下で止まった。




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