ハピネス 〜女になった私〜



ノブくんは一度私の方を見て軽く頷くと、いよいよ本題に。


「未希は、子供が産まれへんから、俺らに孫は期待せんといて欲しい。」



驚いた顔で、お父さんとお母さんの視線が私に向く。



一瞬、逸らしていまいそうになった目を、私はまっすぐノブくんの両親に向けた。




「え・・・病気かなんかしたん?」



ガラリと空気が変わるのが分かった。



戸惑って、混乱している。



それに気付きながらも、ノブくんは話を続けた。



「性同一性障害って分かる?未希は、女の子やけど、生まれた時は男の子やってん。今は戸籍も女やから、俺らが結婚するのに何の問題もない。」



「ちょっと待ってノブ!あんた何言ってんの?」



明らかに困惑している様子のお母さん。


お父さんは・・・絶句。



.
< 208 / 230 >

この作品をシェア

pagetop