ハピネス 〜女になった私〜
引っ越しの日が決まって、ますますバタバタ毎日が過ぎていく。
私は少し緊張しながら、カフェである人を待っていた。
「ごめんね、呼び出しといて遅れちゃって。」
「いえ。」
彼女は柔らかい笑顔でアイスコーヒーを注文する。
昨日の晩、ノブくんから伝言を聞いた。
工藤由梨さんが私に会いたいと。
工藤さんから告白された事のあるノブくんは、なぜ工藤さんが私に会いたがっているかを不思議に思って何度も理由を尋ねてきたけど、私は最後まで工藤さんと私の間で起こった事を話さなかった。
これから人生を一緒に歩んでいくノブくんに、隠し事なんてするべきじゃないし、何でも話さないといけない事は分かっていたけど・・・
「話って何ですか?」
私にとってもう、工藤さんは怖い存在の人ではない。
ノブくんは、彼女じゃなく、私を選んでくれた。
何を言われても、私はノブくんを信じて、自分の気持ちに自信を持つ事ができるから。
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