ハピネス 〜女になった私〜



車に乗り込むと、ノブくんはシートベルトをかけてくれた。


どうして来てくれたのか?



何でまた私と会う気になったのか?



それが分からない私は、ノブくんに何が食べたいかを聞かれても、何にも答えられなかった。



近くのコンビニで車を止めて、おにぎりとお茶を買って戻って来たノブくんはまた車を走らせた。



向かった先は、もう二度と来られないと思っていたあの夜景の見える場所。



辺りはまだほんのり明るくて、違う景色に見えた。



「とりあえず食おか?腹減ってるやろ?」



差し出されたおにぎりを受け取る。



本当はお腹なんて全然すいてないよ。




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