人魚王子
翌朝、良く晴れた日。フィアンはロッサムを祝う為に海から顔を出しました。

崖の近くからフィアンは考えていました。

ロッサムはどんな格好をしているのだろう、ずっと笑っていてくれているのだろうか?

と。歌でも歌おうか、そう悩んでいた瞬間でした。崖の上から誰かが落ちてきたのです。

とっさにフィアンはその落ちてきた人を抱きとめました。

なんとそれはロッサムでした。


「フィアンどうして!?」

「ロッサムこそ。どうして? 死ぬつもりだったの?」

「ううん。結婚したらお城に閉じこもりっきりになるから、
海が一面見渡せるこの場所で海を見ていたの。そしたら足を滑らせて」

「そう……」

フィアンは自殺をするつもりではなかった事を安心しました。
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