人魚王子
気付けば高い位置にあった陽も、完全に沈もうとしていました。

たった１日で見つかる訳がないとは思っていたフィアン。

また明日になれば見付かる筈だと考えていた時でした。

ふと両親の事を思い出しました。きっと２人は自分が陸にいるなんて夢にも思っていないでしょう。

突然いなくなってしまったフィアンを心配しているに違いありません。

２人に黙って来てしまった事に対して辛くなったフィアンは、

１度海へと戻る決意をしました。１歩また１歩と海へと歩いて行くフィアン。

すると突然腕を引っ張られる感覚が彼を襲いました。


「駄目！　早まらないで！」


振り向けば、そこには茶髪の少女がいました。
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表紙・目次

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