人魚王子
「分かった! 貴方も人魚姫の歌を聞きに来たのね?」


一瞬びくっとしたフィアン。

まさか正体がばれているんじゃないかと思っていたのでしょう。

フィアンが答える前に少女は言葉を更に口にしました。


「この時間になるとね、人魚姫の歌が聞こえてくるの。
そう言っても誰も信じてくれないの。ひどいでしょ?」


それはフィアンが丁度歌を歌う時間。

少女はフィアンの歌を聞きにこの場所へと来ていたのでした。

歌を歌っているのは自分だとは言えないフィアン。それがじれったく感じました。
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