二 人 日 和
「また出た、そのマイナス思考。」
「だ、だってぇ…。」
次の授業の為
移動するあたしに、玲はほとほと呆れた様子で言った。
「もう3年になって2ヶ月だよ?」
「…そう、なんだけど、」
「クラスが違う事くらいで普通そんなに落ち込むー?」
そう、そうなのだ。
背中に告白したあの日から
あたしと神楽くんは付き合う事になった。
幸せで、嬉しくて、もうどうしようもなくて。
なのに、神様はやっぱりあたしに意地悪なのだ。
せっかく付き合う事になったと思えば
3年生になったあたしたちに待ち受けていた、クラス替え。
もしかしたら、とは思ってたけど
案の定、あたしと神楽くんは離ればなれ。
ちなみに、あたしは玲と桜井くんと一緒のクラス。
本来なら、一人離れてしまった神楽くんが落ち込むのが普通だと思うけど
何故か、落ち込んでいるのはあたしの方。
そんなあたしに
神楽くんは、「大丈夫だよ。」って言い聞かせてくれるけど
さすがの神楽くんの言葉にもあたしの不安は拭い去れなかった。
「大体、毎日一緒居るのに何でそんな不安になる訳?」
「しょうがないじゃんーっ!」
不安なモノは、不安なんだもんっ!
もお~っ、玲のわからず屋ーっ!