7月7日、逢いたくて
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突き抜けるような青空に、ふわりふわりと漂う真っ白な雲。
徐々に小さくなっていく飛行機は、あっという間に雲の中へ消えてゆく。
窓ガラス越しにそれを見上げ
目を細めると、あたしはボストンバックを持ち立ち上がった。
そして、腕時計に目を向けると
「織葉さーんっ!」
よく通る声があたしを引き止めた。
胸元まで伸びた髪を押さえ、振り返る。
「おきちゃん、来てくれたの?」
駆け寄って来る彼女にそう声を投げると、おきちゃんは乱れる息をそのままに声のトーンを上げ喋り出した。
「当たり前じゃないですかー!だってあたし、お土産頼んでなかったですもん!」
「もぉ。そんな事ばっかり言って!」
「あはは、冗談ですってば!」
ケラケラと笑うおきちゃんに、あたしもつられて笑ってしまった。
ひとしきり笑うと、おきちゃんはガラス越しに見える空を見上げて言う。
「いいお天気ですね。」
梅雨じゃないみたい、と
口にする彼女にあたしも「そうだね。」と視線を上げた。
「去年はどしゃ振りでしたもんね。」
「…うん。」
切なく胸を過ぎる、あの日。
すると、おきちゃんは空に向けていた顔をあたしへと移し
「ハワイも、七夕はいいお天気みたいですよ?」
言いながら、ニッコリと笑った。