7月7日、逢いたくて
一日の勤務を終え
寄り道もせず、一人暮らしの家に帰ったあたしは
真っ先にやかんへ火をつけ
テーブルに置いてあるクッキーの空き缶を開けた。
そこに納まった3通のハガキ。
もとい、star letter。
あたしは今日届いたハガキをテーブルに置き
それと同時に、空き缶に詰められた方のハガキを取り出す。
そして一枚目は今日の分の上に重ね
二通目のstar letterを手に取った。
――月明かりが美しい、夏の星座が僕は一番好きです。
…僕、ねぇ。
ふう、と息を吐き出し
続いて3通目に視線を向ける。
――強いて言うならあなたは、どの季節の星座が好きですか?
「…そんな事聞かれても、返事のしようがないっつーの。」
パサっとハガキをテーブルに置いて
あたしは帰って来た服装のまま、絨毯へと寝転がった。
そしてぼんやりとした思考の中で
一人、呟いてみる。
「あなたは…誰、なの?」
なんて、無機質な天井に尋ねても
返事など返って来るはずもなく。
ピー!っとけたたましい音を鳴らし
沸騰したと知らせるやかんに、重たい体を渋々起こして
台所へと向かった。