7月7日、逢いたくて
これから聞かされるであろう言葉を前に、あたしは泣いた。
気が付けなかった自分と
何も言ってくれなかった彼方に
悔しくて、悲しくて。
いつだったか、彼方は言ってた。
『―――海外で、天文学を学びたい。』と。
その為に、研究に没頭していた事も。
あたしは、知ってる。
「………っ、」
でも、何でそれが今なの?
どうして、一言あたしに言ってくれなかったの?
「織葉さん。」
泣きじゃくるあたしを、館長が呼ぶ。
ついに、言われてしまう。
受け止めなくちゃ、いけない。
そう身構えたあたしに、館長の言葉は思いがけないモノだった。
「七夕に降る雨を、何て言うか知ってますか?」
「……え――?」
七夕に、降る雨……?