純愛バトラー
「へぇ? オレに見とれているのに気付かれて、真っ赤になって視線外してたのは他ならぬ絵理サマだろ。ロマンス求めてたのはそっちの方だろーがよ。
 オレはそれに答えただけだ。そんな風に言われる筋合いはないね」

「己の無作法に気付いて恥じ入るのは、人として当然の事であろう? よしんば、私にフォローを入れるつもりだったのとしても、直後の台詞は納得できるが、その後の対応は全く意味がわからぬ。

 それから、そなたの顔を断りも入れずにまじまじと観察したのは確かに非礼であったが、それがロマンスと一体どう結びつくのだ? 納得できる釈明をせよ!」



 はい??
 観察????



 二人の間にある、決定的な認識の違いに気付いた時は、既に遅かった。
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