純愛バトラー

「まだだな。そのうち来るんじゃないか？」

「そう言ってるうちに叢雲君が来たようですね。女性陣は着替えに時間がかかりますから、もう少し後でしょう」

　遠くで辺りを見回していた青司が、オレ達に気付いたらしく、こちらにやってきた。

　漆黒の艶のある髪に、線の細い中性的な美貌。体つきもほっそりしているが、ちゃんと筋肉がついていて虚弱には見えない。
　服を着ていれば、美女と見間違えるような美少年なのだが、一つ問題があった。


「フンドシ……」

「いやぁ、海といえばフンドシでしょ。ネタ的に」

　さも当然、といった調子で言うが、前垂れのあるタイプの越中フンドシなので、中性的な雰囲気の青司が着用していると、トップレスの踊り子さんのように見えるんだが。