純愛バトラー

「待て待て待て待て！
　さすがにそれはまずいだろ！」

「御剣さん、フンドシ萌えというジャンルもありますから、それでは着替えてくる意味が無いと思われます」

　オレの制止に、長船が冷静に補足説明を付け加える。
　何でそんな事を知っているのかは、あえて聞かないことにした。

「むむむ……。たかが水着と侮っていたが、意外と奥の深い世界なのだな。これは認識を改める必要があるようだ。」

「そんなマニアックな特殊知識付け加えなくていいから。さっさと水着変えて来い」

　これ以上変な知識ばかり吹き込まれると面倒だ。そうでなくても、思考回路がぶっ飛んでるのに。

「そうは言ってもな。どんなのを買えばいいのやら……」

　立て続けにダメ出しされて、絵理はすっかり混乱しているようだ。「普通の」と言っても、多分余計に混乱させるだけだろう。