純愛バトラー
 小雪が選んだのは、白地の胸元にピンクの花のプリントの入った、Aラインワンピース。

 青司が選んだのは、水玉のパレオがついたオレンジのモノキニ。
 前から見るとワンピース、後ろから見るとビキニに見える、変わったデザインの水着だ。

 長船が選んだのはシンプルでスタイリッシュな、モノトーンのスポーツビキニ。

 オレが選んだのはベージュのホットパンツのついた、水色のタンキニ。

 それぞれ選んできた水着を見ると、各員の好みが反映されていて興味深い。

「わ~。どれも似合うねっ☆ どれにする?」

 小雪がニコニコしながら尋ねると、絵理はそれぞれの水着を見比べて言った。

「どれも甲乙つけ難い。
 せっかく皆が選んでくれたのだ。
 全部購入して日替わりで着よう」

 まじっすか。

 中学の時のスク水を着てくるという、リサイクル精神たっぷりの離れ業をやったかと思えば、水着四着いっぺんに大人買い。

 金持ちの金銭感覚は、やっぱり良く解らん。

 絵理が特殊なだけかもしれないが。
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