純愛バトラー
「俺、絵理さんの事が好きだ。
 もし嫌じゃなければ、その、俺の恋人になって欲しい」


 青司の言葉を受けた絵理は、目を大きく見開いて青司を見つめた後、二三度瞬きした。
 何故だか、オレにはこの時間がとても長く感じられた。

 だが、絵理はこと恋愛に関しては、難攻不落の要塞みたいなものだ。

 モーションかけても気付かない。
 甘い言葉にも無反応。
 そもそもそういったものに興味がない。

 絵理に惚れてしまった時点で、既に負け戦が決まったようなものだ。

 周囲が固唾を呑んで見守る中、絵理が青司の目を見つめたまま言った。
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