純愛バトラー
「ありがとう。
 好意を持ってくれた事、嬉しく思う。
 ただ、私には交際に関しての知識はまるでないが、それでもよいか?」


 まさか……嘘だろ?


「うん。そういう所も好きだから」


 青司の顔に安堵の表情が広がる。
 それを合図に、ギャラリーから歓声が上がった。


「きゃああああ!☆
 せーじ君よかったね!
 おめでとーーーー!!」

「上手く行ってよかったじゃない。羨ましいわ。
 彼女の事大切にしてあげなさいね?」

「まさか本当に告白するとは思いませんでした。
 てっきりいつもの冗談だと思っていたのですが」

 言葉にできない感情が渦となって、胸の内側を締め上げる。
 オレは声を発する事もできないまま、石像のように固まって、その光景を、まるで別の世界の出来事のように見ている事しかできなかった。
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