純愛バトラー
 本来この部屋は、女子が寝泊りする予定の部屋になっていて、三人分のベッドと小型のテーブルとソファーが置いてあった。

「ふう、ゲームに熱中してたら何か甘いものが食べたくなっちゃった。
 ねえ、長船君、烏丸さんと一緒にコンビニで何か見繕ってきてくれないかしら。
 言っとくけど、お酒は厳禁ですからね」

 平民の女王陛下は優雅にソファーに腰を下ろすと、ブランドのロゴが入った財布から、福沢諭吉を一枚取り出し、長船に手渡した。

「サー、イエス、サー。
 それでは、早速任務に移ります」

「ゆうちゃん、その答え方って、何か軍隊みたいだよぉ」

 長船の受け答えを聞いた小雪が、くすくすと笑いながら指摘した。
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