純愛バトラー
 その突っ込みに長船は眉一つ動かさず、

「では、参りましょうか。烏丸特務曹長殿」

 相変わらずの軍隊調で答えた。

 ちなみに、軍隊の階級は将官、佐官、尉官、准士官、下仕官、兵士の順になっていて、特務曹長は准士官に属する階級である。
 今回のゲームの階級を、軍隊の階級になぞらえたのだろう。

 本来は千沙子も小雪も同位階級のはずなのだが、千沙子の方が立場も態度も上なのは誰が見ても明らかだった。

 だが長船よ。お前の受け答えはマニアックすぎるぞ……。軍隊の階級なんて、一般的な高校生がわかるかっつーの!
 そんなマニアネタをさらっと持ってくるんじゃない。小雪が困って……

「了解でありますっ! 長船軍曹殿!☆」

 困ってなかった。むしろノリノリだった。
 ノリノリで敬礼までして、二人で部屋を出て行った。
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