純愛バトラー
 結局、絵理の中でオレは色情症の変態という事になってしまったらしい。

 たかがキス一つで色情症とまで言われる事を、一体誰が予想できたというのか。

 かといって、辞表を書くわけにはいかない。

 何より、条件としては最高のバイトだったし、これしきの事で逃げ出すのはオレのプライドが許さない。

 見てろよ。絶対に落としてやるからな。

 今思うと、このとき既に相手のペースに乗せられていたのだろう。
 だが、何よりたちが悪いのは、相手には全くその自覚がなかった事だった。
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