純愛バトラー

ジェラシー

 翌朝。

 あの後、将棋に飽きた二人はオレ達と合流し、他愛もない話をしながら夜が更けていった。
 最終的には、当初の予定通り、男女別々の部屋で休むことになったのだが。
 オレはろくに寝付けないまま朝を迎えてしまった。

 どうやら、失恋のショックというものは予想以上に大きいようで。
 やっと明け方になって寝付いたと思ったら、青司と絵理がよろしくやってる夢なんぞ見てしまい、睡眠不足と相まって最悪の寝覚めだった。

「おはようございます、先輩。今朝もいい天気ですよ」

「おはよ」

 いつもの調子で挨拶する長船を思わず睨み返し、短く挨拶を返す。

 すまん長船。悪気はないんだ。
 態度を取り繕う余裕がないだけで。

 長船はそんなオレを見ても眉一つ動かさず、そろそろ朝食の時間になることを告げた。
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