純愛バトラー
 やれやれ。

 青司の言葉自体は自身の過小評価や謙遜に聞こえるが、内心は平均以上にできている自信が見て取れる。

 入試、中間、期末と、今までのテストでどれも青司は主席の座をキープしているし、難しい言葉の意味や、語源も良く知っている。

 国外へ出た事のない日本人以上に豊富な語彙力がある人間が、本気で『自分の日本語が怪しい』なんて思わないだろう。

 要するに、過剰な謙遜をすることで、『そんな事ないよ!』と褒めて欲しいだけなのだ。


 フン、ガキめ。


 内心で青司に対してそう毒づいたが、こんな小さな事でいちいち敵愾心を募らせているオレも、同レベルのガキに違いなかった。
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