純愛バトラー
「ちょっと。あなたたち、ボケっとしていないでさっさと乗りなさいよ」

 千沙子に叱咤され、オレ達は慌ててリムジンに乗り込んだ。
 広い車内には豪奢な装飾が施され、落ち着いたジャズが流れている。

 備え付けのテーブルにはトロピカルドリンクとフルーツの盛り合わせが用意されており、さながら洒落たバーのような雰囲気だ。

 仕事柄リムジンには何度か乗った事があるが、ここまで豪華なリムジンに乗るのは初めてだった。

 他のメンバーも、あまりのVIP待遇に気後れしているようで、どことなく挙動不審になっている。
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