純愛バトラー
「!?!!!???!?」

 絵理は声にならない声を上げて、顔を真っ赤にしたまま百面相をし、青司の腕の中から脱兎のように飛び出して、小雪の背中に隠れた。

 しかし、小雪の方が明らかに背が低いので、隠れてる、とは言い難い状況だ。

「しゅ、衆人環視の前で何をするかっ!」

「誰も見ていなければいいの?」

「それは、いや、その、そういう事を言っているのではないっ!」

 絵理は顔を真っ赤にしたままぶんぶんと首を振ると、それ以上何も言えずに、あうあうと口だけ動かしている。

「面白いな絵理さん」

 青司がクツクツと笑いながらそう言うと、絵理はさらに顔を真っ赤にした。
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