純愛バトラー
 たっぷり三秒間を空けて、絵理は小雪の肩をがしっと掴んで顔を覗き込んだ。

「今のやり取りのどこに『かわいい』と言える要素があったのだ!
 悪いことは言わぬ。脳外科に行き、一度診て貰った方が良いのではないか?」

 絵理のヒドスギル主張を小雪は笑顔で受け流し、浴衣の袖から何かを取り出した。

「そんなえりちゃんにプレゼントっ!☆」

 左手にたくさん持った『それ』に、小雪は次々と火をつけ、絵理の足元に放った。
 足元で大量のねずみ花火が踊り始め、絵理は慌てて飛びのいた。
 その様子を見て、小雪はケラケラと笑っている。
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