純愛バトラー
 食事を終えたオレ達は、電車に乗って街へと向かった。話によると、絵理は時々電車に乗って街に行きたがるらしい。

 オレが来る以前は、メイドが一人絵理に同行していたのだそうだ。

「車だと、ただ目的地に行き、目的の物を買うだけであろう? それでは味気ないではないか。せっかくの陽気だ。街を散策しながらのんびり買い物もたまには良かろう」

 白いワンピースに桜色のフリルつきカーディガンを羽織り、ローヒールのショートブーツという出で立ちの絵理は、何処からどう見ても大人しそうな少女に見える。

 髪だって染めてないし、アクセサリーもほんのワンポイント。それでも地味に見えないのは、顔立ちが整っているからだろう。
< 20 / 401 >

この作品をシェア

pagetop