純愛バトラー
 絵理は青司がオンライン状態になると、パソコンデスクの方へ本ごと移動し、本を読みつつメッセンジャーでのチャットに興じ始めた。

 とは言っても、その内容は色気もそっけもなく、今調べている事柄の話とか、今日読んだ本の内容とか、夏休みの課題についての意見交換とか、そんなことばかりだった。

 パソコンを使うのは、キーボードの方が、互いに文字入力が楽だからと言っていた。
 長文でのやり取りが多い二人には、メールだともどかしいのだろう。

「絵理。そろそろ夕飯の時間だぞ。一旦切り上げろ」

「む……。そうか」

 絵理はキーボードを叩いて、青司に席を離れる旨を告げ、読みかけの本を閉じた。
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