純愛バトラー
「そういや、お前携帯って殆ど使わないよな」

「そうか? 外出や緊急の時には重宝しているぞ」

「いや、そういう事じゃなくて、友達とメールとかしないのかなぁと」

「用もないのに一体何を送るというのだ」

 絵理はこういう女だった。
 絵理にとって携帯はあくまでも連絡用の道具であり、それ以上でもそれ以下でもなかった。

「そういう割に、青司とは用もないのにチャットしてるじゃん」

 携帯のメール機能こそ使用していないが、毎日のようにパソコンを起動し、いつ青司がオンラインになってもいいようにしている。

 その事が、余計にオレの嫉妬心をかき立てた。
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