純愛バトラー
 あれですか。

 難攻不落の要塞かと思いきや、小細工しないで正面玄関へ行って呼び鈴鳴らせば、意外とあっさり入れてくれたということですか。

 こいつは一本取られたぜ。はっはっは。


 ……ふざけんな♪


「じゃあ何だよ。もしオレが付き合ってくれって言ったら、お前はオレと付き合うのかよ。どうなんだ。ええ」

「青司がいるから無理だな」

「いなかったら?」

 絵理は戸惑った様子で、暫くあごに軽く握った手を当てて考え込んでいた。
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