純愛バトラー
「そう言われても。陣には前科があるし、いつも一緒にいて勘違いしてしまっただけというのも考えられるからな……」


 えりのこうげき
 つうこんのいちげき
 じんはたおれた


 頭の中で意味不明のテロップが流れ、目の前が暗転するかのような錯覚に襲われた。

 乾いた笑いがこみ上げてくる。

「そうそう、インターネットで調べたら、男性用生理用品なるものを見つけたぞ。確かテンガとかいう。もし必要なら注文して……」

 そこまで聞いて、オレはそのまま前のめりに倒れこんだ。

「陣! どうした、大丈夫か!?」

 絵理がオレの身体をゆすっているが、力が入らない。笑うしかない、というのは、こういう状況の事を言うんだろうか。
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