純愛バトラー
 夕食が終わった後も、何となくぎこちない雰囲気のまま、時間は過ぎた。

 絵理は殆どテレビを見ないのだが、ニュース番組だけは欠かさず見ていた。
 月九のドラマ? 何それおいしいの?
 といった様子で、絵理にとってテレビは娯楽の為の機器ではなく、社会情勢を把握する媒体でしかなかった。

 絵理の生活を見て、一つ気付いた事がある。

 それは、彼女の生活にはあまりにも娯楽というものが欠落している事。

 空いた時間は読書に当て、その他の時間は、習い事で埋まっていた。
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