純愛バトラー
 ショーウィンドウにオレ達の姿が映る。

 白い肌に黒髪の大人しげな服装をした少女の左手には、茶色がかった黒髪をミディアムショートにした少年の右手が繋がれていた。

 もっとも、これは鏡像なので実際に繋いでるのは絵理の右手とオレの左手になるわけなのだが。

 少し吊り気味の眉と切れ長の目、すっと通った鼻筋にやや薄めの唇。顎のラインと体型は標準より細めだが、弱々しい印象はない。上背も平均より高く、背丈の順で並んだ時はいつも後ろの方だった。

 オレは別にナルシストではないが、これで『大した事のない平均的な容姿』と自称したら、嫌味以外の何だというのか。事実は事実としてきちんと認識しておかないといらぬトラブルの元である。

 外見でイイように誤解してくれる輩も多いから、使いようによっては武器にもなるしな。
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