純愛バトラー
 しかし、絵理はそんなオレの心の内など露知らず、きっぱりと断言した。

「それはないな」

「何故そう言い切れる」

「変態でも色情症でもないとするなら、出会ったときに、陣が何故あのような行動に出たのか、私なりに考えてみた。
 そなたは自分の魅力というものを非常に良く理解しており、それを利用できる計算高さやしたたかさも持ち合わせている。
 感情の機微にも聡く、駆け引きもうまい。
 おおかた、私の反応を見て、篭絡した方が今後の主導権をとりやすいと考えたのだろう。違うか?」

 全くもってその通りでゴザイマス。

 沈黙を肯定とみなしたのか、絵理は更に続けた。
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