純愛バトラー
 一線を越えた事がきっかけで始まる恋もある、という人もいるかもしれない。

 だが、そんな危険な賭けは到底する気にはなれなかった。

 暴行を受けようが、陵辱されそうになろうが、毅然と相手を睨み返し、瞳の輝きを失わない女が、無理矢理肉体関係を持った相手に心を許すわけがない。

 たとえ、その動機が好意からくるものであったとしても。

 こんな時ですら、冷静に損得勘定をしている自分に、思わず溜息が出た。
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